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抗老化作用をもたらすNMN点滴、そのメカニズムと点滴投与が必要な理由。名古屋の美容皮膚科医が解説。

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2024.02.28|ブログ

抗老化作用をもたらすNMN点滴、そのメカニズムと点滴投与が必要な理由。名古屋の美容皮膚科医が解説。

こんにちは、Wスキンクリニック名古屋、美容皮膚科医の加藤晃司です。

抗老化、アンチエイジング、の研究は日々進んできています。究極は細胞の老化をとめることなのでしょうが、現在の医学はもちろんそこまでは到達していません。

しかし細胞の老化に関しての研究は進んできており、エビデンスレベルの高い治療法が少しずつ出てきています。

私自身、昔から細胞の老化って何のか、ずっと興味がありました。医学は多くの診療科に分かれていますが、基本的には細胞の老化で人はなんらかの病気になります。

老化自体を少しでもとめることができれば、健康寿命は確実に伸びるはずです。

自分が実践するために今の仕事をしているのもありますので、根拠のある治療を選択しています。

ＮＭＮ点滴は臨床データもそれなりに出ている抗老化治療の一つです。

当院ではＮＮＭ点滴の方かには、エクソソーム点滴、高濃度ビタミンC点滴を導入しています。

私はこの３つの点滴を１週ごとに投与しています。ほんとの効果は数年後に分かるのだと思いますが、今のところ体調はいいですｗ

今回はNMN点滴について解説します。

①NMN点滴とは？

NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）点滴は、抗老化や健康維持を目的とした治療法の一つです。NMNは、NAD+（ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド）の前駆体であり、NAD+は細胞のエネルギー産生やDNA修復、細胞の健康維持に重要な役割を果たす化合物です。加齢と共にNAD+の量は減少するため、NMNを補給することでNAD+の量を増やし、老化の進行を遅らせる効果が期待されています。

NMN点滴は、NMNを直接血流に注入することで体内のNAD+レベルを速やかに上げる方法です。口から摂取するサプリメントと比較して、点滴はより直接的かつ迅速に作用する可能性があります。この治療法は、老化防止、エネルギーレベルの向上、認知機能の改善などの目的で用いられることがあります。

②NMNはなぜ抗老化作用を発揮するのか？

NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）が抗老化作用を発揮する理由は、主にその役割としてNAD+（ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド）の生産を促進することにあります。NAD+は細胞の健康と機能に不可欠な補酵素であり、以下のような複数の生物学的プロセスに関与しています：

（１）エネルギー代謝: NAD+は細胞のミトコンドリア内でエネルギーを生成する過程において中心的な役割を果たします。ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場として知られており、加齢とともにその機能が低下します。NMNによるNAD+の増加は、ミトコンドリア機能の向上とエネルギー産生の促進につながり、老化プロセスを遅らせることができます。

（２）DNA修復: NAD+はDNA修復プロセスにも重要な役割を果たします。DNAは日々の生活の中で様々な外部要因によりダメージを受ける可能性があり、これらのダメージは細胞の老化や疾病の原因となります。NAD+の増加は、DNA修復メカニズムの効率を高め、細胞の寿命を延ばす効果があります。

（３）細胞のストレス応答: NAD+は細胞がストレスや損傷に対してどのように反応するかを調節することにも関与しています。特に、細胞の老化に関連するプロセスであるセネセンス（細胞の老化による成長停止状態）の調節に影響を及ぼします。NAD+レベルの維持は、細胞のストレス耐性を高め、老化の影響を軽減することができます。

（４）サーチュイン遺伝子の活性化: NAD+は、サーチュイン遺伝子（サーチュイン）の一群を活性化することによっても老化プロセスに影響を与えます。サーチュインは、寿命を延ばし、代謝を調節し、DNA修復を促進するなど、老化と関連する多くのプロセスに関与しています。NAD+の増加は、これらの遺伝子の活性を高め、健康寿命を延ばす効果があると考えられています。

以上のように、NMNによるNAD+の増加は、細胞のエネルギー代謝の改善、DNAの保護と修復、細胞のストレス応答の最適化、および老化に関連する遺伝子の活性化を通じて、抗老化作用を発揮します。これらのメカニズムは全体として、加齢による身体の衰えを遅らせ、健康寿命を延ばす可能性があります。

③抗老化作用をもたらすほどのＮＭＮ量を食事のみで接種するのは大変か？

抗老化作用をもたらすほどのNMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）量を食事のみで摂取するのは大変です。NMNはブロッコリーやキャベツ、アボカドなどの一部の食品に含まれていますが、これらの食品に含まれるNMNの量は非常に少ないです。例えば、ブロッコリーに含まれるNMNの量は1kgあたり約0.25〜1.12mg程度と報告されています。この量は、研究で示されている有益な効果を実現するために必要な量と比較して非常に少ない量です。

科学的研究では、NMNの潜在的な健康効果を評価するために、一般的には毎日数百ミリグラムから数グラムのNMNを使用しています。この量を食事から得ることは現実的ではなく、そのため多くの人々がNMNのサプリメント、点滴を利用しています。

さらに、NMNサプリメントを摂取することでNAD+レベルを効率的に上げることができると考えられています。NAD+は細胞のエネルギー代謝、DNA修復、その他の重要な細胞プロセスに不可欠であり、その量は加齢とともに自然に減少します。NMNサプリメントを通じてNAD+レベルを増加させることで、老化の多くの兆候に対抗し、健康寿命を延ばすことが期待されています。

したがって、特定の健康効果を目指してNMNの摂取を検討している場合、食事だけに頼るのではなく、サプリメント、点滴の形でNMNを摂取することが現実的なアプローチと言えます。